落語散歩

上方落語ゆかりの土地を訪ねてみよう

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江戸時代に町人文化が花開いた大阪、大阪には上方落語の舞台になった場所がいくつもあります。 昔と景観はかなり変わっていますが、土地や地名は残されています。 今回は、そんな落語にゆかりのある場所を訪ねてみたいと思います。三つのエリアを一日ひとつづつ ゆっくりと歩いてみます。落語の簡単なあらすじと何か想いを書けたらいいなと考えています。 私自身落語については入門者レベルですし、人生の半分は京都で過ごしたこともあり大阪についても あまりわかっていません。どうそ、ご一緒に「落語」と「大阪」入門いたしましょう。

今回は「中之島」「上町」「なんば」と三つのエリアに分けて、各エリアから落語の噺を四つピックアップ、合計十二の噺で 散歩を進めます。上の六枚の写真はいづれも今回訪れた所です。お寺や神社が落語に登場するのはわかりますが、 「アクアライナー」や「かに道楽」、「ライオン像」はどう関係してくるのでしょうか。それでは散歩をと、 その前に簡単ではありますが、上方落語の特徴などを少しだけ学習してみたいとおもいます。

上方落語の特徴

上方も江戸も落語は落語ですが、言葉以外にも違いがあります

寄席写真

発展過程のちがい

上方落語は長く屋外で大道芸として演じられ、一方の江戸落語はお座敷芸から寄席へと発展しました。 上方では大道芸のため、客引きが必要だったのです。

ハメモノイラスト

ハメモノが入る噺がある

ハメモノとは落語の途中ではいる音響効果のこと、笛、太鼓、三味線など。旅の噺や歌舞伎などを題材にした噺にはいる場合がおおいようです。

見台イラスト

小拍子など道具の違い

場所、題目、落語家にもよりますが落語家の前には見台,膝隠があり小拍子をたたいて場面転換などをおこないます。扇子も少しおおきめを使うようです。

落語写真

真打など階級制度はない

二つ目、真打などの階級がなく、芸暦の長さや人気で格付けされています。芸暦五年ぐらいで中座、十五年以上で真打と 同格とされているようです。

上方落語と江戸落語タイトル違いの同じ噺

今回散策する落語の舞台は三つのエリアで十二の噺をランダムに選びました。その中でも上方から江戸に移植されてあらすじはほぼ同じで タイトルが変わっている噺が五つもありました。「高津の富」の高津神社が江戸では「宿屋の富」となり舞台が湯島天神と変わります。 地名が変わるのは当然ですが,そのほか微妙に変わっているところを調べてみました。江戸落語の方のタイトルなら知っている、聞いたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。 (江戸落語が上方落語に移植されているケースも多くあります。)

上方落語でのタイトル 江戸落語でのタイトル 違いなど(地名以外)
米揚げ笊 ざる屋 米揚げ笊(いかき)もざるには違いないが水をながすための穴があいている。
天神山 墓見、安兵衛狐 上方にも後半3パターンほどあるよう、芝居噺色は江戸ではうすくなっている。
高津の富 宿屋の富 江戸時代の富くじ、西では一等から決まっていったが東では一等が一番最後に決まったらしい。
蔵丁稚 四段目 登場する歌舞伎役者が西では鴈治郎・仁左衛門に対して、東では團十郎・海老蔵
あみだ池 新聞記事 フェイクニュースで殺されるのが上方では「米屋のヨシやん」、東京では「てんぷら屋の竹さん」

落語散歩ルート

落語の噺をもとに三つのエリアを歩きます

中之島エリア中之島エリア

天満天神繁昌亭をスタート中之島を東から西へ歩きます。

上町エリア上町エリア

四天王寺から高津の宮まで上町台地を進みます。

なんばエリアなんばエリア

道頓堀の繁華街からお寺、神社をめぐります。