サイプレスVol.98
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ず達成できる最強の手段を選択するのではないでしょうか。 なぜならば目的を達成するために最も合理的だからです。そこには生物的な中庸な価値観はないと思います。 極端な例として申し上げるなら、戦争に勝つためには合理的な戦闘手段として核のボタンも押すかもしれません。 したがってIT技術の進展と同時並行的に、政治や経済、教育など、あらゆる分野においてITの多様な活用を前提に置いた倫理観の醸成とともに、法制度改革を積極的に進めていくことが急務である考えます。 そして人工知能が世界を制覇する前に、「人間が人間らしさ」をもう一度考え直すことが重要であると思います。 銀行の仕事についても数千万人の顧客を抱える巨大な銀行が、人間の手で制御されたコンピュータにより運営されてきた過去現在から、将来はコンピュータに操られた世界となり、世の中のお金の流れをコンピュータが変える時代が到来しないとは言えません。 コンピュータが手段やツールから人間とイコールパートナーとなり、やがてこれに飽き足りず人間を凌駕する時代を絶対に作らないと言う高い倫理感を持って、将来に亘ってコンピュータと共存していただくことを、次世代を担う皆さんにお願いしたいと思います。4.さいごに  就活シーズンまっさかりでもあり、ここで当社が求める人材についてお話します。  IT会社ですのでIT技術に長けていることに加え、4点ほどあげさせていただきます。  まず1点目は、変化を好む人材です。IT会社は上手くいって当たり前の世界ですので、どうしても保守的にものを考え変化に対し、臆病になる傾向があります。  しかし安定は世の中の変化に鈍感になり、変化に気が付かない「ゆでガエル状態」になってしまうことを認識して、業界の急速な環境変化に対応しなければ企業は生きていけません。  変化はチャンスであり、リスクをとって変化に挑戦するスタンスで仕事に取り組んだ結果、仮に1勝14敗であっても挑戦した意義は大きく、次につながる1勝であったかを重視したいと思っています。  2点目は正義感の強い人材です。是々非々でものを考えられる人材です。  皆さんはピンと来ないかもしれませんが、どこの組織でも多かれ少なかれ、「組織の空気」があります。  しかしながら寄らば大樹の陰では企業は生きていけません。上下関係はあっても会社の事、お客様の事を考え正々堂々と正攻法で取り組む姿勢が重要で、それが組織の、企業のガバナンスとなり、よどんだ空気を払拭します。  そのためには信念を持って仕事をしようとする正義感が必要であり、そうした人材の集団が活き活きとした組織を作っていくと確信しています。  3点目は、高い情報集力・選別力・発信力を持つ人材です。  ネット社会が定着化し情報はあふれています。その中で今、自分が欲しい情報を収集し、取捨選択し、自分なりに理解・加工し、アウトプットしていく人材の集団が、環境変化への対応や新しい技術の吸収などを可能とし、組織イノベーションを生んでいくと思っています。  IT技術屋は好奇心が強く興味の範囲が広いのですが、一方で積極的にリスクを取って実践しようとするvol. 9811

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