サイプレス Vol.95
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10年先を見通した埼玉づくり 明けましておめでとうございます。埼玉県情報サービス産業協会の皆様には、健やかに平成30年の新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。 昨年は、花咲徳栄高校が夏の甲子園で埼玉県勢初の優勝を成し遂げるという、とてもうれしい出来事がありました。 埼玉県も元気です。 人口増加率は全国3位、平成15年からの名目県内総生産の増加額は全国2位、平成18年から10年間の企業本社転入超過数は全国1位です。 そして、来年はラグビーのワールドカップ大会が、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。県民の皆様と共に「オール埼玉」で大会を盛り上げていきたいと思います。 さて、今年は平成30年という節目の年であることから、過去を振り返り、先の10年を考えてみたいと思います。 我が国の生産年齢人口は平成7年をピークに減り続け、10年後は約8割の数になると見込まれています。正にこれからは、社会における一人一人の価値が高まっていく時代だと言えます。また、10年前のリーマンショックは、貧困や格差、地方創生といった今の社会問題の原因にもなっています。 本県においては、いち早く取り組んでいる「埼玉版ウーマノミクス」の効果もあり、働きたい女性を支える環境が整ってきました。さらに、活躍し続けたいシニアの働く場の確保や地域デビューの後押しなど、それぞれの希望にかなった社会参加を支援していきます。そして、健康寿命を延ばす「健康長寿埼玉モデル」を全県に広げ、誰もが活躍できる埼玉を目指します。 また、これからは人工知能やロボットなどの普及が加速度的に進むと思われます。そこで今後10年を考えると、まずは新しい成長産業を創り、稼ぐ力を取り戻すことが何よりも重要です。ナノカーボンなど5分野で取り組む「先端産業創造プロジェクト」では、マグネシウム蓄電池の実用化にめどが付くなど成果が出てきました。さらに実用化や製品化を進め、先端産業企業の集積につなげていきます。 そして10年後には今の半分の仕事がなくなるという見方もあることを考えると、子供たちの創造力を伸ばす教育も重要です。貧困や格差解消の課題に取り組んだ「生活保護世帯の子どもの学習支援」は埼玉から全国に広がり、「児童養護施設退所者のアフターケア」は進学、就職、資格取得で大きな成果を上げています。 これからも足元から10年先までをにらんだ本質的な取組を追求し、埼玉の未来を創っていきたいと思います。 今年も県政への御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。埼玉県知事 上 田 清 司vol. 953

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