サイプレス Vol.87
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新年のご挨拶「2025年問題」への挑戦埼玉県知事上田清司明けましておめでとうございます。埼玉県情報サービス産業協会の皆様には、健やかに平成28年の新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。昨年は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の県内区間が全線開通し、本県の立地優位性がより高まりました。また、ラグビーのワールドカップが2019年に日本で開催され、熊谷市が会場の一つになることが決まりました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでも本県が会場となります。さらに、本県にゆかりの深い梶田隆章東京大学宇宙線研究所長と、大村智北里大学特別栄誉教授がノーベル賞を受賞されました。これらは本県の隆盛と可能性を象徴する出来事だと私は感じています。一方で、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」が将来の課題となっています。本県の75歳以上の高齢者は2025年には118万人に増加し、医療・介護需要の爆発的な増大が予測されます。また、生産年齢人口が27万人減少し、社会活力の低下が懸念されます。これは大変大きな課題ですが、私は別の未来を築くために3つの大きな取組に挑戦します。その第一は「シニア革命」です。やがては1人で1人の高齢者を支える「肩車型」社会になるという、超高齢社会の暗いイメージを変えるためには、高齢者も活躍できる社会をつくっていく必要があります。本県の2025年の65歳以上の高齢者のうち、8割は社会参加可能な「元気な高齢者」と言われています。高齢となっても働く意欲のある方は働き続け、地域活動に協力いただける方には様々な分野で社会貢献していただく。こうした社会を構築する、言わば「シニア革命」を大きなムーブメントにしてまいります。そのために、まずは「健康長寿埼玉プロジェクト」を全県展開し、健康寿命を延ばしていきます。また、地域で安心して医療や介護サービスを受けることができる「地域包括ケアシステム」を、市町村と連携して構築します。第二は「人財」の開発です。「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」を一層推進し、女性が活躍する埼玉を築きます。また、職業教育の充実で若者の活躍を促すとともに、生活困窮世帯の子供への学習支援を更に進めてまいります。第三は「稼ぐ力」の強化です。「先端産業創造プロジェクト」をより加速させ、成長可能性の高い分野の事業化を支援し、新たな産業を県内に集積させます。また、県内中小企業の経営革新を支援し、生産性向上を図ってまいります。本県の取組が我が国の方向性を示す年となるよう、皆様の御支援、御協力をよろしくお願いします。3vol.87

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