サイプレスNo.122
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2024年5月10日講師:鈴木 良雄氏(エレクス株式会社)【第一章】企業概要 自己紹介。鈴木良雄 牡牛座、B 型、さいたま市南区在住。 趣味はネットサーフィン、プログラミング、ゴルフ。 私は20才の時に自作PCを製作したがきっかけでプログラムの存在を知りました。OSや周辺機器などを制御する楽しさを覚え本格的にこのスキルを伸ばしたいと考えるようになりプログラマーの道を選びました。当時は忙しくて寝ていてもソースコードの夢を見るような働き方でしたが、多忙を極めた結果、短期間で多くの知識と経験を積む事ができました。数年間の会社員生活の後27歳で独立しましたが、バブル崩壊の嵐が社会を包み込み、多分に漏れず情報産業も停滞を余儀なくされました。企業はこぞってコストカットに走り、安価で高性能な新しいコンピューティングが求められました。米国で主流であったUNIXへとダウンサイジングが始まりましたが、UNIX使いだった自分には追い風でした。 ムーアの法則で示されるようにこの業界のスピードは尋常ではありません。ひとつの事に執着するのは避けて、時代と変化にあわせ多くのものを手掛けてきました。上手くいったもの以上に失敗していますが、全て必要な経験です。システムインテグレーターは安定した事業になっていますが、現在最も力を入れているのはクラウドプラットフォームとAIデータセンターです。【第二章】情報産業 IT業界と一般企業の垣根が狭くなっています。事業のデジタルシフトが必須となった今では、デジタル人材の確保が命題となり、IT人材の重要性が非常に高まっています。しかしよく考えてみると情報産業、ITとはいったい何者なのでしょう。その範囲は広く、全ての産業が該当するといっても過言ではありません。当社は専業ですが、もはやそれを区別するもの無理があるようになってきました。星の数ほどの職種が存在し、これも年々増えているので、名前だけではわからないものもあります。私は全てに通用する基本がプログラマーという考えです。AIの目覚ましい進歩によってゼロからコードを書く必要も少なくなりエンジニアの仕事内容にも変化の兆しが見え隠れしています。もしかすると近い将来プログラミング作業は殆ど不要になるのかもしれません。しかしながら「プログラマー=プログラミング」と解釈している日本が問題で、本来の意味ではないことは理解していてください(中略)。 今後の技術動向や予測は米国のガードナー社が公表しているハイプサイクルを参考にするとわかりやすいです。はっきり言って結構当たりますよ! 過去の数年分を見比べると納得するはずです。【第三章】職業 現在の社会/経済は「ITありき」なので、スキルは必須です。IT業界は今後も大きく成長することは約束します。ここでキャリアを積むことは人生において非常に有益でしょう。付け加えるとエンジニアは単にソースコードを書くのではなく、先の価値を理解した上で創造力を働かせるクリエイティブな仕事です。技術スキル、実装スキル、応用スキルはキャリアプランの形成に最適であるとともに多様な働き方という点でもITはとても相性が良く充実したライフワークが実現できるでしょう。 どのような会社であれ、仕事もITのスキルとキャリアは充分すぎるほど重宝されるはずです。【第四章】世界の動向 世界はどうなっているでしょう(以下、結局はIT化が世界共通) 全世界で2011年に最初に提唱したのが、ドイツの国家プロジェクト「Industry 4.0」第四次産業革命です。当初は工場の全自動化を指していましたが、既に10年以上が経過しその範囲は拡大しています。現在は欧州全土にまたがって「Industry x」とも呼ばれます。特に北欧はIT化が進んでいる事で知られ、Skype創業の地で有名なエストニアでは実に行政サービス、民間サービスの95%が完全オンラインになっています。7

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