vol.1222024年5月17日〜当社におけるAI適用の実務〜「AI導入、成功へのテクニック」(まとめ)講師:渡邊 泰博氏(パシフィックシステム株式会社) 昨今、AI特に生成AIの話題で持ち切りである。AI自体の理論・技術は難しいものであるが、企業における適用では、AIの技術というよりも基本的な既存の技術だったり、結構アナログなテクニックなどが重要になることが多い。現場での適用方法を伝えていきたい。1.生成AIについて(本題の前に) ChatGPTの発表以来、世の中は生成AIブームであるので簡単に知っている範囲のことを紹介する。 生成AIのすごさは自然な会話ができるということだが、その裏には今までは大変困難と思われていた人間の常識をコンピューターが獲得したように見えていることであり、画期的である。 計算問題、論理的思考、知識という点においては、時々間違いを犯すようである。そういったことを理解すれば、「色々な分野に詳しい、たまに知ったかぶりをする有用な専属秘書」として企業の様々な業務において、大変有用であり、企業内でも活用がどんどん進んでいる。 生成AIの利用例 ・サポートデスク ・文書案(案内状、御礼文、おわび等々)の作成やチェック ・アイデア案 ・契約書等の気づき ・議事録作成(音声から、メモから、) ・資料の要約 ・翻訳 ・プログラムの作成・デバッグ・リバースエンジニアリング などなど...たまに間違えることの他、著作権や差別的・公平性の検証は人間がしていかなくてはならない。2.AI適用の実務(主に画像系) 生成AIの台頭により、今までの基本的なAIモデルの他に生成系のAIモデルが注目されてきた。生成系ではフェイク画像で問題になるくらい精緻な画像を生成するGANのようなモデルやChatGPTに代表される自然言語処理で活躍するTransformerなどが有名である。画像識別や制御系でも応用が進んでいる。 画像検査におけるAIの実務について述べる。AIの理論や手法自体は難しいものだが、実務ではAI技術以外の工夫・技術が重要になってくる。画像検査でのAI導入では、検査対象・内容・課題などをヒアリングし、PoC(概念実証)を重ね検証・評価することが重要である。AIに過度な期待を持ちAIを導入することが目的になってしまったり、データ(質と量)が■わない、導入後の保守を想定していない、という状況では決してうまくいかない。AI画像検査に限った話ではないが、このように進め方というのは大変重要である。 AI画像検査における、技術的な工夫も、AI技術以外のものが多い。。 ①AIの適用範囲 AIがベストとは限らない。ルールベースの方が良好な場合も。 ②入力の見直し 入力の仕方・工夫。ここで6割が決まる。9
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