7 ①企画 ②入力データの選択 この選択で成否の6割が決まります。 ・画像の選択(カラー・モノクロまたは3Dセンサ、静止画・動画、可視光・赤外・紫外など) ・レンズ・照明の選択 ・画像以外の情報(温度、音声、振動など) ・安定した撮影環境の構築(日差し・天候の影響排除など) ③データの前処理す。ただ新しい取り組みは実証実験では結果が出ても実用化まで至るケースはまだまだ少ないようです。 AIの適用分野は色々ありますが、画像検査分野におけるAIの適用についてどういう所が重要かを述べたいと思います。AI適用の成否は、AIモデルの選定・調整も重要ですが、以下のような周辺のノウハウ・技術が大きく成否を左右します。 AIが大変注目を浴びていることから、実際に効果を上げることよりもAIを導入することが目的となってしまうケースも見受けられます。データの量・質が適切に取れるか、目標精度は現実的なのか等、最初の企画が大変重要です。AIを使わない方が良い結果が出る場合もあります。基本的にはルールベース(単純アルゴリズム)の得意とする所とAIの得意とする所を組み合わせることが良い結果につながるようです。 AIに学習させる前の画像データに特徴量を際立たせる処理を行い、効率的・効果的な学習の準備をします。 ・必要ない情報の除去(グレースケール化・2値化・ノイズ除去など) ・正規化、次元圧縮、リサイズ、分割 ・データオーギュメンテーション(画像を加工してデータを水増し) ④導入後フォロー 導入して成功して終わりではなく、現場環境(検査対象や検査現場)の変化に合わせてフォローしていくことが重要です。 AIで結果を出すことは簡単ではありません。それはAI理論が難しいというよりは、どのように工夫をすれば良いかを見つけることに苦労するということです。しかしその様々な工夫をノウハウとして確立して成功することができれば、困難を克服した達成感を得られ、顧客も喜び、仕事が楽しくなります。以上
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