サイプレスNo.112
20/22

 ロシアのウクライナ侵攻が始まり、早1か月が経ちました。ウクライナの人々が、何十年、何百年、或いは、何千年を懸けて築いたであろう歴史的な街並みが、一瞬の攻撃によって無残な姿に変わってしまうこと、また、この地での生活、幼い生命さえも一瞬に奪われてしまうこと、居た堪れない気持ちでニュースを見ています。 今回の戦争では、IT技術が、戦うための武器だけではなく、電気や水と同様、ライフラインとして役割を増していることに気付かされます。インターネット技術が、軍事目的で開発されたことは自明の事実ですが、SNSを通して大統領の声が国民に届き、また、国外で避難生活している母親は、父親とSNSを通して会話をする。そのことは生活するうえで欠くことのできないものとなっています。その一方で、大統領や政府高官を装ったフェイク動画が全世界的に一瞬で流通し、第一次世界大戦後台頭したファシズム、プロパガンダを、お手軽、かつ、広範囲に行うことが可能になったことも、20世紀半ばでは考えられなかったことです。その一方では、情報統制によって、真実が国民に知らされず、国民が誤った方向に導かれていることも報道されています。 我々ITに関わるものとして、世の中を容易で便利にするツールが、誤った使い方をされていないよう見極める目を養う必要があります。また、詐欺サイトのようなITを悪用して不当に報酬を得るような技術に対抗する力を付けなければなりません。日々進歩するIT技術に対応していくことは容易な事ではありませんが、安全、安心、便利な社会を造るため、その使命を全うしていきたいと思います。今後の埼玉県情報サービス産業協会の取り組みに対し、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。18 公益社団法人として、地域経済振興、情報高度化に向けて積極的な活動を推進しております。新たなステップに向けて仲間を募集しております。 会員企業並びに関連団体の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。編 集 後 記

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