サイプレスNo.104
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テーマについてお話しいただく中で、環境問題・経営課題からAIの活用まで、幅広い話題を熱く語り合っていただきましたが、ここではテーマとした「持続可能な社会に向けた未来の人材づくり」の部分を中心にご紹介いたします。石井会長 実は昨年の春、当協会のメンバーと共に御社主催の「くぬぎの森環境塾」に参加し、リサイクル工場の見学もさせていただきました。そこは、ハードもソフトも含め凄く目が行き届いているな、と感じさせるものでした。従業員の教育、清掃、システム化。そして、最も驚いたのは「くぬぎの森」。産業廃棄物処理だけではなく、そこから出てくるものに対して社長が色々お考えで、世の中が循環するような手を打っているところに感心しておりました。ところで石坂社長、本題に入りたいと思いますが、企業経営者として、人創りに対しての具体的な取り組みやお考えを教えていただけないでしょうか。石坂社長 昨日、「KAIKA Awards」という大賞をいただいてきました。「KAIKA」は「開花」を横文字にしたもので、働いている社員個人がどれだけ成長できているか、結果として組織がどれくらい成長でき、それが地域や社会にどう開花されているか、という点を評価する賞でした。まさにいただいた賞の内容通りだなと思っているのは、どれだけハード面に投資して素晴らしい設備を入れても、全ての設備は人によって動かされている、管理されているということなのです。そういう意味で言うと、一人一人の能力そのものが全ての会社成長に繋がっていると、いつも思っています。個人がどれだけ個々の強みを活かせるか。得手不得手があるのは当然のことで、良いところをより伸ばしそれをビジネスにつなげていく。今までずっとそれを繰り返し見てきましたが、自分は何が得意なのか本人が気づいていないケースがたくさんあるのです。そこに色々な仕事を当て込みながら気づきを促す、といったことに努めてきました。石井会長 今まさしくお話しいただいたように、ハード面から入って形作りをして、そこからソフトが後追いになっていくというところがあり、器ができれば人はそれに沿って育っていくだろうと考えがちですが、そうではなく、最初は小さくても良いので人がきちんと育っていく中で器を大きくしていかないと、御社のように魂をしっかり持った企業にな~ご講演前の対談~石坂産業株式会社代表取締役社長石坂典子氏をお招きし、当協会会長の石井進と「持続可能な社会に向けた未来の人材づくり」について語り合っていただきました。【石坂典子氏】1992年に産業廃棄物処理業を営む石坂産業株式会社に入社、2002年社長就任。「自然と地域と共生する企業」を目指し、共に育み共に栄える100 年先の企業づくりに挑戦。「見せる五感経営」を実践し、世界中から見学者が訪れる先進的な環境配慮型企業に変革させた。『カンブリア宮殿(テレビ東京)』出演他、多数のメディアに登場。2016年日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016情熱経営者賞」受賞。2019年「平成30年度財界/経営者賞」受賞。『彩の国ビジネスアリーナ2020』開催報告12vol.104

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