サイプレスVol.103
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 ② パネルディスカッション   講演でのIT技術を活用した北海道発の新興企業の事例を参考に、地盤沈下が著しい地域経済の再生に向けての在り方について、北海道、石川県、愛媛県の協会会長を交えパネルディスカッションが行われました。   昨今の報道などでは、地方の弱みが象徴的に紹介されているが、新興企業などが地方の強みを活かして起業し、成功するポテンシャルは高いとの共通認識から議論が展開されました。   スタートアップ企業が起業するには、優秀な人材の確保に加え、土地・建物など一定の初期投資が必要となりますが、地方には人材の供給や安価で取得できる不動産も多く、斬新なアイデアを持った若い起業家にとっては、好環境であると意見でありました。今やIT技術の進展により、職場は距離の壁を超えており、また、情報の首都圏と地方の格差は少なくなっており、恵まれた自然環境の下で豊かな発想を育み企業活動を展開することは、知的産業としては好条件であり、その事実を世の中に発信し、理解いただき、優秀な起業家を地方に誘致することの必要性があるとの意見でありました。   今後、地方は過疎化が増々進み、産業人口の減少が著しい中で、北海道モデルを地方創生のロールモデルとして全国に発信することで、今後の地方創生戦略の要となることを期待するとともに、国や自治体もこうした民間企業の動きに対し、一層の支援策を展開していく必要性があると感じました。   一方で、パネルディスカッションでは、議論の話題にはなりませんでしたが、今後の課題も認識しておかねばならないと思います。   スタートアップ企業は成長と共に、多くの優秀な人材確保や海外も含めたマーケティング力が求められるが、そのニーズに地方の現状がどこまで対応できるかは疑問であり、結果として、企業規模の拡大と共に、首都圏に移転するリスクをはらんでいると懸念します。 ③ 感想   今回の全情連 北海道大会において、産学官が連携して新興企業を中心に地域産業推進強化に尽力されている姿を拝見し、我々、首都圏の企業では体現できていなかった危機感を改めて認識することができ、埼玉県も今後、全国一のスピードで高齢化が進み、労働人口も急速に減少していく環境から、先例として、北海道の取り組みに学ぶことが多いと強く感じました。   その重要な役割を担うのが、働き方改革とIT技術であり、テレワークなどを活用した多様な働き方の普及拡大や5GやAIなどのIT技術を活用し情報格差の完全排除や労働生産性の向上を図ることが急務であると感じました。   今回の全情連 北海道大会は、そうした問題提起の場として意義深い大会であったと思います。 ④ おわりに   埼玉県情報サービス産業協会から、12名の会員企業にご参加いただき、ありがとうございました。   来年は9月に、山梨県で開催されますので、会員企業の皆様には、振るってご参加いただけますよう、お願い申しあげます。〒330-0835埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-299-12富士さいたま新都心ビル西館TEL:048-677-6020(代)FAX:048-677-6026URL:http://www.ags-bc.co.jp機器販売・導入サービスソフトウェア開発コンサルティングサービス保守・運用サービス~情報から価値を創造する~vol. 10325

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