サイプレスVol.102
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■これからの社会 様々なことが言われますが、確実に言えるのはITを中心に社会が形成されてゆきます。日本ではSociety 5.0を旗印に未来社会の実現に向け大きく動いています。この中核となるのがITです。人工知能(AI)は予測を超えたスピードで進化しています。2045年と言われていたシンギュラリティ(技術的特異点)を待たずに人間を超えてゆくでしょう。2020年の5Gの実用化、更には6Gによりデータ通信は劇的に変化します。これは全ての産業に物凄く大きなインパクトを与えます。ビジネス、延いては産業のあり方が変わる事を意味します。これまで「ビジネス+Tec」がキーワードでしたが、現在は「Xtec」※クロステック:様々な産業とITテクノロジーが交差する事。今後は「TEC+」となるはずです。ITが主役となりビジネスが成り立つ事を意味します。ITエンジニアの重要性は今後更に高まり、学校教育でプログラミングが必須科目になるのは必然の事です。最も欧米ではとっくに取り組まれているのでかなり出遅れていますが。皆さんが卒業後どのような職業に就くのかは自由ですが、私はソフトウェアエンジニアをお薦めします。 ■ITエンジニア 少し前までのITはプログラマー、システムエンジニアといったイメージがありますが、現在では開発、インフラ、ネットワーク、セキュリティ、データ、サービス、運用など多岐に亘ります。何れもやりがいのある仕事には間違いありません。今後も新しい職種が多く出てくるでしょう。先でもお話ししましたが、求められるスキルは変化しています。具体的にどういったものなのでしょう。ここでDOUGLAS GRAYが述べる「エンジニアの5つスキル」を紹介します。「1.素晴らしい技術があること」 常に学ぶ姿勢があり自分の可能性を伸ばし続けられる人。「2.ビジネスアライメントができるか」 すべてのエンジニアは難解な問題を解くことに長けていますが、人間の問題をコンピュータ言語にするだけのマシンではだめです。問題にどのようなビジネス的価値があるかを知り、それにより良い変化を加えたいと思える人。企業の作り出すものの社会的価値を理解し、自分をビジネスの方向性に沿わす(align)ことのできる人が必要。「3.オーナーシップ(当事者意識)が持てること」 言われたことをやる、言われなかったからやらないではなく、ビジネスアライメントを理解した後、次にやるべきことを自ら見出し、それをどんどん試していきたいという意識があるかどうかも重要。「4.組織へ良いインパクトを与えられるか」 つまり組織に新しい人材が入った場合、彼らを指導し、組織により良い貢献ができるように導くことが出来るかどうかです。自分自身のスキルを組織に貢献するだけではなく、他の人たちも助けることができると、組織全体が成長するのです。「5.自立できるか」14vol. 102

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