サイプレスVol.102
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 しかしながら寄らば大樹の影では、企業は生きていけません。上下関係はあっても、会社の事、お客様の事を考え正々堂々と正攻法で取り組む姿勢が重要で、それが組織の企業のガバナンスとなり、よどんだ空気を払しょくします。 そのためには安易な読経や曖昧な行動を慎み、信念を持って仕事をしようとする姿勢が必要であり、そうした人材の集団が活き活きとした組織を作っていくと思っています。 3点目は高い情報収集力・選別力・発信力を持つ人材です。 ネット社会が定着化し情報はあふれています。その中で今、自分が欲しい情報を好奇心を持って収集し、真偽を疑う気持ちで取捨選択し、自分なりに理解・加工し、アウトプットしていく人材の集団が、環境変化への対応や新しい技術の吸収などを可能とし、組織イノベーションを生んでいくと思っています。 IT技術者は好奇心が強く興味の範囲が広いのですが、一方で積極的にリスクを取って実践しようとする姿勢は決して強くありません。 収集力だけでなく発信力の重要性を理解し、多様な発想で発信できる人材が、組織の変化への対応力や柔軟性を植えつけると思っています。 4点目は優れたコミュニケーション力を持つ人材です。 皆さんも友人との会話手段がメールとなり、送信したことでコミュニケーションは完了であると勘違いしているとの話をよく聞きますが、当社もその傾向があります。 人間はヒトの間と書くのであり、自分だけで完結できることは限られています。 ヒトとヒトの塊がチームであり、組織であり、会社であり、社会が成り立っていることを常に念頭に置き、意識して会話することで、求める方向感や新たな発想が生まれるのだと思います。 5点目が謙虚さを持ち続けられる人材です。 私の組織活性化の持論ですが、心理学者のアドラーの共同体感覚の浸透です。 それは、「他人を敵でなく、仲間としてみることで、自分の居場所が確保でき、その結果、仲間たちのために貢献しようと考える」ことです。この共同体とは、学校・企業・地域・国家・人類全てが対象です。 仲間との円滑なコミュニケーションの下で、学校の一員として謙虚で真摯な気持ちで勉学に取り組むことを基本とした共同体感覚があって、その中でご自身の自我や自立心を顕在化させる、そんな人材が組織を活性化させると確信しています。 皆さんは学生ですから学術レベルの向上は最も重要ですが、5つの人間力の向上にもご努力いただけたらと思います。 以上で私の講義を終了します。 〒330-0835埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-299-12富士さいたま新都心ビル西館TEL:048-677-6020(代)FAX:048-677-6026URL:http://www.ags-bc.co.jp機器販売・導入サービスソフトウェア開発コンサルティングサービス保守・運用サービス~情報から価値を創造する~12vol. 102

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