サイプレスVol.101
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野の技術者は不足しており取り合いになっているようだ。この業界は人材の流動性が高いので、仕事は多いが人が確保できず困っているとの話も聞いている。技術の進展の速さと人の流動性の速さというのは難しい時期なのかと認識している。□今までのAI、バブル経済時1980年代から1990年代までのAIは自分で学習するシステムではない。今ブームになっているのは自己学習するシステムである。その中にはディープラーニングもあるがそのほかいろいろなものがあると理解している。□埼玉県で導入したセキュリティ製品(ダークトレース)は端末の異常を検知するAI型のネットワーク監視システムであるが、県庁にある約11,000台の端末を監視しマルウェアを捕まえるのではなく大量のデータを外に出そうとしている、あるいはファイルサーバーにランダムにアクセスして大量データを抜こうとしている普通見られないパターンを検出できれば未然防止ができる。このため県では情報セキュリティ強化の取り組みの一環として、多層防御における端末防御を中心とした新たなタイプのセキュリティ機器を導入した。この機器に組み込まれたAIは最初の1ヶ月程度はネットワーク内の通信をずっと観察しながら何が普通の状態かを学習している。いわゆる教師なし型のAIである。 一ヶ月ぐらいたつとパソコンとサーバの間の通信に対してアラートを出すようになってくる。人間がこれが正しいというデータを集められないようなものに対しても最近のAIの装置というのは、かなり検出できるようになってきている。このようなものも頭に入れて、どういう場合にどんなAIが使えるようになるのかということをイメージしながら商品選択をしていくことが重要である。□画像、音声、数字などのパターンの分析など行政においてどれが応用できるのかと思っている。例えば財務処理での誤りの検出などはこの応用として何かできないかと考えている。スマート県庁として考えているのは、内部事務においてどこまでAIで置き換えが可能なのかを考えている。なぜかというと人手不足が進行していき、なるべく質を落とさないで省力化していきたい。あるいは職員の構成がいびつな形になっており、今後今の50代以降が退職したときに、そのベテランのノウハウをどう継承していくのかが課題であり、それに対して業務支援システム(業務サポートシステム)をつくっていきたい。なれない職員がその業務にあたっても、AIが最低限の判断はしてくれてそれをもとに職員が対応できる。というようなものができないかと考えている。□エキスパートのナレッジを可視化して活用するエキスパートシステムではそのナレッジを可視化するのに手間がかかってしまう。いまひとつ普及しvol. 10127

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