平林寺は、永和元(1375)年、現在のさいたま市岩槻区に創建されました。 その後寛文3(1663)年、川越藩主であり、 徳川幕府に老中として仕えた松平信綱の遺命によって野火止へ移転されました。 「知恵伊豆」とも称された信綱は平林寺にいまも眠り(松平伊豆守信綱夫妻の墓、県指定史跡)、 平林寺が一族の菩提寺となっています。 茅葺屋根の総門、山門、仏殿、中門は県指定有形文化財(建造物)です。
平林寺の紅葉は各地から観光客が集まるほど人気があります。
紅葉シーズン中に拝観した時には、広大な敷地の中に広がる色づいた紅葉に感激しました。
都内近郊で、見ごたえのある紅葉鑑賞ができるこの場所は穴場だと思います。
そして、江戸時代に活躍した偉人のお墓もあり、
歩いて見てまわるとあっという間に一時間以上が過ぎます。
下の写真は、数年前に家族で拝観した時のものです。
新座市睡足軒の森は、国指定天然記念物「平林寺境内林」の一画で、 武蔵野の雑木林の面影を残しています。
「睡足軒」が新座市初の国登録有形文化財(建造物)に正式登録されました。
睡足軒は、もともと飛騨高山周辺に建てられていた江戸後期の民家と推定され、 松永安左エ門(耳庵)が昭和13年に当地へ移築し、 草庵としたと伝えられています。 松永安左エ門は、「電力の鬼」としても茶人としても著名で、 睡足軒に親しい友人を招き、「田舎家の茶」を楽しんでいました。 睡足軒の構造形式は、木造平屋建、鉄板葺(茅葺き屋根にトタン掛け)で、 内部は梁間一杯のイロリノマの東西に2室ずつ配置しています。 木太い軸部構成や、チョウナ梁の架構、両妻への股柱の採用などに、 飛騨地方の民家の特色が表れています。 移築時の造作の意匠には、松永安左エ門の嗜好が反映されています。
国指定天然記念物平林寺境内林の一部で、自然豊かな景勝地である睡足軒の森において、 紅葉のベストシーズンに毎年恒例のライトアップを行います。 期間中は、呈茶、展覧会等の多彩な文化芸術的催しも行います。
門の外からの景色を見ただけでも、ライトアップしたら素敵なのだろうなと想像がつきますね。