サイプレス Vol.91
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運転する事が多く、正直、日本では考えられない運転の荒さに驚きました(実際にバスとバイクの正面衝突の現場を通り過ぎました)。広大な田園風景を見ながら、所々では牛・ヤギ・ニワトリが放牧されており、ハノイ市街とは異なる田舎の風景を観察する事ができました。一時休憩所として、国が運営する人道支援センターに立ち寄りました。この施設で購入する物は付加価値税10%が免除されるらしく、施設での売上金は、今もなお枯葉剤の後遺症に苦しむ方々の支援金に充てられるとの話を聞き、少しばかりですが、人道支援センターで買い物をさせていただきました。ベトナム戦争で汚染された土壌の完全除去には、これから50年もかかるらしく、戦争が残した爪痕は現在も続いている事を知りましたが、土壌の除去には、日本企業の技術協力もあるらしく、同じ日本人として少し誇らしい気持ちになりました。その後、命からがらハロン湾に到着。ハロンとはベトナム語で「龍が降りる地」という意味らしく、およそ2,000もの大小の岩や島が辺り一体にそそり立つ見事な景勝地でした。世界遺産に登録されているのも納得です。ハロン湾ではクルーズ船に乗船し、景勝地を見ながらの遊覧とクルーズ名物の鍾乳洞見学をしました。鍾乳洞はかなり大きなもので、中は大々的にライトアップされ、見事なものでした。このクルーズでは、西洋系の外国人観光客も多数見かけ、有名な観光地である事がよくわかりました。ベトナム全体を通して、若者が多く、街中が非常に活気があり、今後益々の経済発展を続ける雰囲気を肌で感じました。その反面、入国前の誠実・柔和なイメージとは異なり、街中では後ろから来たベトナム人の若者に手で押しのけられる等、かなり荒い印象も合わせて受けました。ミャンマー視察ミャンマーはヤンゴンという都市を訪れました。ミャンマーは人口が約5,150万人の東南アジアのインドシナ半島西部に位置する共和制国家で、南東はタイ、東はラオス、北東と北は中国、北西はインド、西はバングラデシュと国境を接する国です。人口の7割はビルマ族が占めますが、他にも134の少数民族で構成されている他民族国家です。少し古いですが、邦画のビルマの竪琴という映画があり、入国前からその映画のイメージを持っていましたが、街中で黄色い袈裟を着た僧侶を多数見かけ、まさにイメージそのものでした。車は10年くらい前の日本の中古車が走っており、ベトナムでは多数見かけたバイクはほぼ見かけず、昔の日本の田舎町の様でした(後でバイクの乗り入れは禁止と伺いました)。ミャンマーでは、シュエダゴォン・パゴダというヤンゴンの中でも非常に大きな寺院を視察しました。この寺院は豪華絢爛で塔のほとんどが金箔や宝石で装飾されており、眩しい輝きを放っていました。現地ガイドの方にお聞きすると、ミャンマーの人々はとても信仰深く、生前に金品を寄付したり奉仕活動したりすると、来世には幸福になると信じている人が多いそうで、寺院に金品が多数寄付されるそうです。また、現地の人々は独特の服装(ロンジースカートの様な衣服)を老若男女問わず身につけており、寺院の中を散策している最中にも、現地学生ら30vol.91

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