サイプレス Vol.86
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納める機械配置設計が出来ない為にこれも工事元請けに無料で設計を依頼します。もちろん工事発注引換です。工事元請会社は、メーカーにと同じ手口で依頼致します。それでは、見積もりはどの様に提示されるかというと、今度は逆ルートで設計図書と合わせて見積を提示致します。ここで大切なのは、ゼネコンがオーナーに提示できる額を最初の段階で提示することです。つまり、定価といわれる金額が見積額になります。概ね各段階で20%コストONされると考えて下さい。そうすると、末端価格は60%OFFになります。・デベロッパーの旨みデベロッパーは、発注に深く関わることから、全ての取引に関わろうとします。それは、紹介料として受注額の2%を要求して参ります。つまり、全ての段階で2%とるとゼネコン、設備、工事元請で6%のコストを受け取ることになります。*設計事務所が、全ての設計を取りまとめる場合設計事務所が取りまとめる場合には、全ての設計を建築、設備、工事業者に依頼致します。この場合に設計に携わった会社は、設計事務所よりオーナー推薦を頂き概ね受するのが一般的です。しかし、オーナーと結びつきの強い業者がいるとオーナー指定でひっくり返されます。ここでも、設計事務所は、設計を全て無料で引き受けさせます。尚、一般的設計料は総建築コストの3%と言われております。*このほかにも建設にかかると様々な費用が建設会社より徴収されることがあります。・運搬費用(工事用エレベータ利用費)・安全協議会費用*建築のユニークな点当然人が作業をしているので、人間関係がうまくいかないこともあります。その時どんなことが発生するか。例)官庁検査前日の現場検査は、全て順調に動作します。しかし、当日になるとどうしても動作しないことがよくあります。前日に頭の黒いネズミが電線を噛み切ったりして動作させない様にしてしまうことがあります。(笑い)*建築業界は、発注額が大きいことから建設談合などと称して建設業界と政界の金の結びつきが非常に密接な関係で連動してきた業界であり現在も増収賄であげられている現状からも理解できる通りです。〇この発注システムにメスを入れた企業例森ビル森ビルは、全ての工事についてトータル管理(森ビル)建築設計本体建築電気設備空調設備衛生設備防災設備上記を其々分離発注することで建築のトータルコストを大幅に削減することが出来ました。これは、日本における画期的な発注スタイルとして取り上げられましたが、残念ながらすべての建築にこれが運用されているわけではありません。海外の建築管理会社が日本でこのシステムを運営しようとしましたが、うまくいきませんでした。〇IT業界に於ける発注システム・オーナー・大手ベンダー(富士通、NEC、日立等)・ITベンダー(2次受け)・ITベンダー(3次受け)*IT業界でも3次受け企業の価格に20%程の金額をコストONされて仕事がながれます。但し、仕事の流れは、非常に単純であり、大手ベンダーと取引があるか無いかで受発注が決まります。ただし、大手ベンダーとの取引は簡単には実現できないのが現状です。それは、実績重視で判断するからです。新規取引の場合6vol.86

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